参院選公示後は大半の候補が「自粛」していたツイッターの書き込みが、2010年7月11日20時の投票終了とともに、続々と「解禁」された。選挙期間中にツイッターでコミュニケーションが出来なかった苦しさを吐露する候補がいる一方、「ありがとうございます」「御礼申し上げます」などとツイートする候補が続出。公職選挙法では、選挙後の「あいさつ行為」を禁じており、これに抵触する可能性があるとの懸念も出そうだ。
30分間に20回以上つぶやく候補も
2009年8月30日に行われた衆院選では、逢坂誠二衆院議員(民主)が20時に「当選確実なう」と書き込み、ネット上で大きな話題になった。今回の選挙では、20時以降で「一番乗り」したのは、三橋貴明氏(自民、比例)だ。
「ツイッター解禁!になりました」
「いやあ、ブログ更新やツイッターができない日々は、きつかったです・・・・」
「わたくしは予想以上にインターネットにおけるコミュニケーションに依存していたんですねえ・・・」
などと、30分間に20回以上もつぶやいた。
議論を呼びそうなのは、この直後の書き込みだ。三橋真記氏(民主、兵庫選挙区)は20時2分に、
「ご無沙汰してます。みはしまきです。 選挙戦が終了しました。関係者の皆さま、暖かく心強いご支援ご指導いただき、本当にありがとうございました!」
石川博崇氏(公明、大阪選挙区)は20時4分に
「皆様の温かい御支援に支えられ、先程、投票時間が終了致しました。全力で走り続けることが出来たのも、皆様の励ましのおかげと感謝の思いで一杯です」
と書き込んだ。なお、NHKが石川氏に当確を出したのは、この書き込みの直前の、20時2分30秒ごろだ。
さらに、有田芳生氏(民主、比例)は、20時40分に、
「当確が出ました。わざわざ投票所に足を運んでいただき『有田』と投票用紙に書いてくださった方々に心からお礼申しあげます」
と、つぶやいた。
過去にはウェブサイト「お礼文言」が問題に
公職選挙法の178条には
「何人も、選挙の期日後において、当選又は落選に関し、選挙人にあいさつする目的をもつて次に掲げる行為(編注: 文書を配ったり掲示すること)をすることができない」
とあり、過去にも、選挙後に「今回の選挙で当選させていただきました。頑張ります」などとウェブサイトに掲載した候補者が、選挙区の選管から「公職選挙法に抵触するおそれがある」などと指摘を受けたケースがある。一方、別の選挙区では「ありがとうございます。みなさんのおかげです」とウェブサイトに掲載した候補者が「おとがめなし」だったケースもあり、地域の選管によって運用がまちまちで「グレーゾーン」といったところだ。
この点に留意している候補者もおり、例えば清水哲氏(創新、千葉選挙区)は20時50分に
「申し訳ありませんが公職選挙法で御礼は出来ないことになっています。でも私の心情はご理解いただけているものと信じています」
と、慎重な書き込みをしている。