参院選の開票が行われた2010年7月11日夜、「与党過半数割れ」などと各テレビ局が情勢を報じ始めると、民主党の開票センターでは、細野豪志幹事長代理や安住淳選対委員長ら関係者が悲痛な表情を見せた。
20時すぎに開票速報が伝えられ、最初にセンターへ顔を出した細野幹事長代理は、険しい表情で、「厳しい予測が出ているが、開票状況をしっかり見守っていきたい」と話した。
テレビにICレコーダー向ける記者も
また、安住選対委員長は、日本テレビのキャスターから「民主党がかなり苦戦している」と問いかけられ、「まだあのほんとに今度の選挙はですね、あの、大激戦を展開している1人区、また複数区ありますので、あの、なんとかですね、あの、この接戦を勝ち抜いて1人でも多くに当選していただきたいと思っております」と話した。
幹部たちが話している内容は、都内のホテルに設置された会場ではほとんど聞かれなかった。そんな中で、記者が頼りにしているのは選挙速報の番組。テレビ各局の放送スケジュールはあらかじめ配布された資料に記されており、予定時間になると、会場に設置されているテレビに記者が集まり、コメントをメモし、中にはICレコーダーをテレビに向ける人もいた。また、民主党の職員に話を聞こうとしたが、男性職員は「正式な話は別の担当者が……」と力なく答え、忙しそうに立ち去っていった。