1980年に引退した歌手・山口百恵さんのDVDがオリコンランキングで第3位に入った。芸能人の引退後に発表された映像作品が3位以内にランクインするのは史上初の快挙。主な購買層は当時百恵さんのファンだった40~50代の男性だが、引退から30年経っても未だに人気が衰えないようだ。
2010年6月30日、DVDボックス『山口百恵in夜のヒットスタジオ』が発売された。百恵さんが1975年から引退する80年までの間に、フジテレビの歌番組「夜のヒットスタジオ」に出演した計56回の放送をまとめたもので、DVD計6枚。総収録時間は7時間にも及ぶ。
アイドルからアーティストへ
価格も1万9950円と決して安くはないのだが、これが売れている。初週で1万6000枚売り上げ、7月12日付けのオリコン週間DVD総合ランキングで3位を獲得した。
アマゾンのレビュー欄には、
「映像を通して山口百恵の変遷が見られるのがすばらしいと思いました」
「大人になっていく過程、アイドルからアーティストになっていく過程がよく見えます。 若くして『品格』すら感じることに、改めて彼女のすごさを実感しました」
といったものが約30件も書き込まれている。百恵さんが、5年の間に大人の女性へと成長していく過程が見られるのがポイントのようだ。
これまでの百恵さんのDVD作品のオリコン最高位は、2009年12月に発売された『「ザ・ベストテン」30周年ホリプロ創業50周年特別企画ザ・ベストテン山口百恵完全保存版DVD BOX』の7位。引退した芸能人の作品が3位以内に入るのも史上初の快挙だという。
森進一の曲歌うシーンも
販売元によると、『ザ・ベストテン』には百恵さんの曲は12曲だったが、今回の『ヒットスタジオ』には倍の24曲を収録。また『ヒットスタジオ』は、番組オープニングで共演者の曲を歌うのを定番としており、百恵さんが桜田淳子さんの曲や、森進一さんの「襟裳岬」を歌うシーンも収録されている。
「歌うシーンが120回以上入っていてかなりのボリュームです。番組内での寸劇も収録されているので、彼女の素の部分も見ることができ、ファンには堪らない内容になっています」
と話す。購買層としては、当時百恵さんを応援していた40~50代の男性を想定していたが、若者が両親へのプレゼントとして買っていくこともあるという。