「サラリーマン社長」では銀行、商社の高さが目立つ
「中興の祖」の次に目立つのが創業者もしくは創業家。9位のセガサミーホールディングス・里見治会長兼社長(4億3500万円)らが代表例だ。ただ、ソフトバンクの孫正義社長が1億800万円と案外少なく、トヨタ自動車の豊田章男社長は1億円に届かなかった。「株主としてかなりの配当をもらっているからではないか」(外資系アナリスト)との指摘もある。
4つ目の類型「日本人のサラリーマン社長」では野村ホールディングスの渡部賢一社長(2億9900万円)の18位が最高。この類型で目立つのは銀行、商社。特に商社は上位5社のトップすべてが1億円以上をもらっていた。製造業では日立製作所、東芝、パナソニック、ホンダなどが1億円以上だが、概して金融・商社のレベルには届かない。ただ、神戸製鋼所の水越浩士相談役が退職慰労金を含めて2億7300万円を得るなど、鉄鋼各社は「老舗」の強みか、比較的高いのが目立った。
この報酬開示には、多くのマスコミも関心を示し、事前開示した資生堂のほか、総会開催が早かったソニーなども大きく報道した。全国紙の多くは株主総会がピークを迎えた6月29日から7月上旬にかけ、順次、紙面でまとめを掲載。産経が1ページの3分の2程度を割いて約200人を業種別に分けて大きく載せたのを筆頭に、毎日、朝日が上位20人の一覧表、読売はちょっと遅れて7月5日にやはり上位20人の表を掲載した。また、当初から高額報酬の開示に疑問を呈し続けてきた日経は、個別企業が公表した時点でそれなりに報じたものの、30日朝刊でベスト5の表と20行余りの原稿でまとめたにとどまり、異彩を放った。