将来はどのクルマにも標準装備される
日本のアイドリングストップ市場は欧州に次ぐ規模で、約1万8000台(矢野経済研究所調べ)。その先頭を走るのがマツダだ。同社は2009年6月に、独自の「i‐stop」技術を搭載した「アクセラ」を投入。10年7月からはファミリー向けの「プレマシー」にも搭載し、販売を開始した。
アイドリングストップ技術の優れているところは、比較的低コストで開発できる点にある。エンジン周りの改良で済むため、搭載する車種を増やすことができ、かつユーザーに安価で提供できるのがメリットだ。
早稲田大学大学院・環境・エネルギー研究科の大聖泰弘教授は、「アイドリングストップ技術は、将来的にどのクルマにも標準装備されるでしょう」と話す。
矢野経済研究所の調べでも、アイドリングストップ車の世界販売台数は2015年に1043万台に達するとみている。この数値は09年に比べて、じつに11.5倍もの伸びだが、標準装備になればその可能性は高いとみられる。
大聖教授は、「自動車メーカー各社がガソリン車の燃費向上に取り組むなかで、アイドリングストップ技術がさらなる低燃費車への第一歩になるのではないか」と期待する。
日本の自動車メーカーも、マツダだけでなく、トヨタが「ヴィッツ」、ダイハツが「ミラ」の一部にアイドリングストップ技術を搭載。ホンダも搭載車を販売、伊東孝紳社長は「今後、当たり前の技術になる」と話し、より積極的に取り組む姿勢を示している。日産自動車も今後、「マーチ」や「セレナ」への搭載を予定している。
アイドリングストップ機能が、さまざまな車種に標準装備される日は、そう遠くない。