茨城空港唯一の国内路線休止 アジアの格安航空誘致へ交渉

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   2010年3月に全国98番目の空港として開港したばかりの茨城空港(茨城県小美玉市)が4カ月足らずで早くも大ピンチに見舞われている。唯一の国内路線である神戸空港との定期便(1日1往復)を運行するスカイマーク(本社・東京)が、同路線を8月末で運休すると発表したのだ。

   リーマン・ショック後の世界不況の影響も覚めやらぬ中でのオープンという不幸な船出だったが、元々「首都圏第3空港」を標榜しながら羽田空港の拡張などもあって、路線誘致の難しさが指摘されていた。茨城県は拝み倒してでも路線復活させようと必死だが、前途は視界不良だ。

運休は茨城県には寝耳に水

   茨城空港は航空自衛隊百里基地の既存滑走路に平行してもう1本滑走路を建設した軍民共用空港。施設の簡略化など徹底したコスト抑制で着陸料を羽田や成田より3割以上安くしたのが売り。だが、神戸便休止後、定期便は韓国アシアナ航空のソウル便(1日1便)だけになる。

   スカイマーク撤退理由は、自衛隊優先への不満だ。同社によると、百里基地航空祭(7月25日開催予定)で、午前の便を午後に変更するよう当局側から求められたといい、「他空港でも航空祭を開催しているが、ダイヤの変更を求められたことはない。自衛隊の都合で運航に制約が出ること自体、空港側から聞いていなかった」と説明。1日3便以上の運行に増やして黒字化しようと考えていたが、自衛隊優先では増便は困難と判断したようだ。

   運休方針は茨城県には寝耳に水。県空港対策課によると、スカイマークから事前相談はなく、6月24日夕に同社ホームページに出て知ったという。神戸便の5月の平均搭乗率は75%とまずまずだっただけに、橋本昌知事は「期待していた路線で、運休という決定には大変驚いている」とショックを隠しきれない。副知事を同社に派遣したが、西久保慎一社長には会えず、要望書を担当者に手渡しただけで、色よい返事は聞けていない。

整備士ら「常駐なし」が裏目?

   実は、神戸便の運航でスカイマークは、整備士らを茨城空港に常駐させていない。空港内に事務所を置かず、神戸からの便に同乗した整備士や乗務員が機体整備やチェックイン業務に当たり、また帰りの便で神戸に戻るという方式で、コストを抑えている。就航前日の4月15日に国交省の認可をやっと得たが、茨城県も、認可を得られるように裏で支援したといい、「『常住なし』の身軽さから、路線休止も気軽に決断できたのかも」(茨城県関係者)との恨み節も聞こえる。

   同空港には中国の格安航空会社(LCC)、春秋航空が7月下旬から週3回程度、チャーター便を運航することが決まるという明るいニュースが伝えられたばかり。その喜びを吹き飛ばす国内線消滅だが、同県は他のアジア各国の格安航空会社にも誘致交渉を積極化し、巻き返したい考えだ。

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