配達途中の郵便物の紛失件数は09年度477件
芝支店(東京都港区)では、慶應義塾大学薬学部あての郵便物約90通を誤廃棄する事態が4月26日に発生した。管轄する郵便事業会社東京支社は、郵便物が入った輸送容器のそばに産業廃棄物の一部を誤って置いたため、処理業者が産業廃棄物と混同して、トラックに積載したと説明している。
配達員による郵便物の窃盗も見つかっている。守山支店(名古屋市)に勤めていた非正規社員の男(38)は現金書留に入っていた現金2万円を着服し、業務上横領容疑で、守山警察署に逮捕された。郵便事業会社東海支社が6月1日に発表した。
松江支店(島根県松江市)で現金書留などが入った郵送容器がなくなり、松江署は5月13日、同店に勤めていた非正規社員の男(52)を窃盗容疑で逮捕した。郵便事業会社中国支社によると、男は09年12月17日、同支店の集配場所から現金書留など17通が入った郵送容器を盗んだ。計数百万円の現金が入っていた。
郵便事業株式会社によると、配達途中の郵便物の紛失件数は08年度が580件、09年度が477件で、社員による郵便物の窃盗など犯罪容疑事案の件数は08年度が41件、09年度が39件だった。
「朝日新聞」の投書欄に掲載されたように、配達員が金目のものが入っている郵便物を盗んで、金券ショップなどに売るという犯罪が、日常的に行われているのだろうか。これについて郵便事業広報担当者は、
「そのようなことがあるとは聞いていません。当社は、社員による犯罪容疑事案の発生を防止するため、社員に対し、新規採用時のほか、週1回程度、犯罪防止について指導をしています。また、配達途中の郵便物の紛失を防止するため、配達を担当する社員に対し、配達用バイクのキャリーボックスのふた閉めを徹底するよう指導しています」
と回答した。