三菱UFJ信託銀行が東京証券取引所に上場した貴金属の現物を裏づけ資産にした上場投資信託(ETF)が2010年7月2日に売り出され、順調な滑り出しをみせた。主力の金ETFの初値は一口(1グラム)3600円で、指標となる東京工業品取引所の金価格(基準値)を約71円上回った。金ETFの初日の売買代金実績は1億3761万円だった。
同社の貴金属ETFは、国内で裏づけ資産を保管する初めての商品で、三菱商事が貴金属の現物を調達し、同社の受益権証書発行信託を活用して東証に上場した。現物は三菱UFJ信託が保管しているため、いつでも交換できる安心感がある。また、上場有価証券なので、売買も手軽にできる。
現物を裏づけとする金ETFはこれまでもあったが、現物を海外で管理しているケースが多かった。
今回上場したのは、金のほか、銀(一口100グラム)やプラチナ(同1グラム)、パラジウム(同10グラム)の4種類。初値は銀が5314円、プラチナが4395円、パラジウムは1万2470円だった。
同社広報室は、「貴金属を少しずつ積み立てていく感覚で投資してもらったり、株式投資などと組み合わせたポートフォリオの一つとして活用してもらいたい」と話している。
なお、現物との交換は11年2月から可能になる。交換には手数料がかかる。