ネットでの評価を重く受け止める傾向
相次ぐ芸能人の自殺は、韓国内ではどう受け止められているのだろうか。日本語向けにエンタメなどの韓国情報を伝えるサイト「イノライフネット」を運営しているソウル市内の編集部に国際電話で取材すると、女性編集部員が次のように答えた。
――05年のイさんの自殺以降、自殺に共感した芸能人が、自身も悩みを抱えた際に自殺してしまうという負の連鎖が起きている厳しい状況だ。小説の主人公が自殺する、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」に由来する「ウェルテル効果」(共感による連鎖的な自殺)が働いているという指摘もされている。
「スターたちは華やかな生活を送りながらも、人気の先行きへの不安感などをなかなか家族にも言えなかったり、多忙のため友人との交流が疎遠になったりしがちで、孤独感を深めるケースがあるようです。インターネット上での誹謗の影響もあると言われています」
今回のパクさんの自殺原因についても、看病疲れだけでなく、ネットでの中傷について気にしていた、との情報もあるという。カウンセリング強化などを進める芸能事務所も出てきたが「有効な対応策は見つかっていないのが現状です」。
日本のある芸能リポーターは、韓国芸能界では、日本人が考える以上にネットでの評価を重く受け止める傾向があるようだ、と指摘する。また、儒教の影響もあり家族などへの義務感が強く、多忙な芸能人生活との両立に悩む人も多い。「個人の問題と放置せず、何だかの対策を見出してほしい」とも話している。