「選挙前から準備、毎日報道の意図はない」
結局、民主党は参院選で消費税増税論議をどう位置つけるのか。民主党の法定(届け出)ビラの1号(6月22日発行)にはあった「消費税」の文言が2号(26日発行)からは「消えた」と指摘したのは、毎日新聞(29日付朝刊)だ。「党内でも菅直人首相の消費税増税発言に反発が出ており、配慮したとみられる」と分析している。
確かに1号のビラには「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」とあり、2号には「消費税」の文字はない。もっとも、ビラの構成がそれぞれ異なり、1号では「強い財政」については、6項目の「具体策」を掲げて文字で説明する形で、2号は「強い財政」と「強い経済」、「強い社会保障」の3つの関係を示す図が大きく強調され、文字数は少なめになっている。構成やデザイン上の問題と言えなくはなさそうだ。
ある野党の広報関係者は、民主党のビラについて「複数のビラを必ずしも同じ内容で作る訳ではないので、一般論としては消費税に触れたり触れなかったりするのはあり得る話だ」とことさら問題視しないコメントだった。
果たして民主党は、2号のビラで「消費税」を盛り込むことを避けたのだろうか。民主党本部に質問したところ、報道担当は「法定ビラ作成は選挙前から準備にとりかかり、2号は『簡略版』という位置付けとなっており、(毎日記事で)報道されている意図が働いた事実は全くありません」と強く否定した。
ちなみに民主党は、7月2日ごろ3号のビラを出す予定だ。果たして3号目には「消費税」は盛り込まれるのだろうか。
関東地区のある民主候補の選対関係者に話をきくと、「ビラに消費税の文言が載っている、いないは気にせず使用している。『削れるものは削った後の消費税増税』は、政治課題として議論は避けて通れない」と話していた。