2010年6月29日のパラグアイ戦では、東京・渋谷駅前の忠犬ハチ公像が厳重警備される。日本代表戦のたびに、駅前がお祭り状態となり、ハチ公に登ろうとする人が出てきており、関係者は「危険なのでやめてほしい」と呼びかけている。
日本がデンマークを3対1で下し、決勝トーナメント出場を果たした2010年6月25日。未明から試合が放送され、試合終了後、早朝にも関わらず大阪・道頓堀や東京・渋谷駅周辺はお祭り状態となった。
スクランブル交差点を中心に、百人以上の警察官
渋谷では、14日のカメルーン戦からサポーターの大騒ぎが続き、毎回、駅前のスクランブル交差点を中心に、百人以上の警察官が出動、厳重な警備が行われている。
そうした中、インターネット上に1枚の画像が張りだされた。
20日の東京新聞に掲載された画像で、オランダ戦後、渋谷駅前にある忠犬ハチ公像を警察官6人が取り囲んでいるものだ。ハチ公がVIPになったような錯覚さえ覚える。記事によると、ハチ公に登ろうとした若者がいたため、警察官が警備に当たることになったという。
ネットではツイッターを中心に、「総理大臣よりもVIP待遇かも」「デイフェンス万全すぎw」といったコメントが付いている。
ハチ公保存維持会「節度持って楽しんで」
警視庁によると、警察官が大人数でスクランブル交差点に出動したのは、年末のカウントダウンと、2002年の日韓W杯ぐらいで、珍しいことだという。
ハチ公の所有権は渋谷区にあるが、普段は渋谷の商店街店主らから成る「忠犬ハチ公銅像保存維持会」が管理を行っている。維持会の事務局窓口となっているJR渋谷駅の担当者によると、4~5年前地下鉄出入り口の屋根に登り、落ちて死亡した人が出た。以来イベント時には、ハチ公像を始め、電話ボックスや地下鉄出入り口など、登ることの出来る場所の警備が厳重になったという。
「29日のパラグアイ戦も心配です。下はコンクリート。落ちると危険なので登るのは止めて欲しい。せっかく勝っても、トラブルが起きてはダメ。節度を持って楽しんで頂ければ」