一方で、「先生に相談しやすくなった」
導入からまだ3か月近くしかたっていないが、制携帯はうまくいっているのか。
須磨学園の広報担当者は、取材に対し、手応えをこう話す。
「非常に順調で、効果的になっています。教員と生徒のコミュニケーションが楽で密になりました。生徒も、家で勉強が分からないときは、教員にメールすることが増えています」
アンケート調査では、保護者の9割が肯定的だった。生徒からも、「先生に相談しやすくなった」との声が出ている。しかし、一方で「規制が厳しすぎる」との意見が生徒内に根強いようだ。結局、私用携帯の方ばかり使ってしまうことにならないのか。
この点について、広報担当者は、次のように説明する。
「フィルタリングをきつくしていますので、見られないタレントのサイトがあるかもしれません。しかし、生徒にもっと使ってもらえるように、少しずつ緩めていくようにはしています。デザインなども改善できるところは改善します。いずれは、私用携帯を止めてもらい、徐々に制携帯1台だけにしていくつもりです」
すでに、子どもの私用携帯を解約した親も何割かいるという。
今後、制携帯は、ほかの学校にも広がっていくのか。
広報担当者によると、須磨学園には教育関係者からの問い合わせが数多く来ている。また、同校が使っているauブランドのKDDI広報部によると、同様の携帯導入を検討している学校が全国で複数あるという。それだけに、「制携帯」導入の成否が今後注目されそうだ。