大ヒットゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズなどを手がけたゲームメーカー・レベルファイブの新作「二ノ国」のアニメーションを、ジブリが担当することになった。ジブリがゲームに映像を提供するのは初めてで、ネットで話題になっている。
ジブリのアニメーションが使われるゲームは、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」用ソフト「ニノ国 漆黒の魔導士」(2010年12月9日発売)と、「PS3」用ゲームソフト「ニノ国 白き聖灰の女王」(11年発売)の2タイトル。
音楽はジブリ映画でお馴染みの作曲家、久石譲さんが担当する。レベルファイブの公式ホームページには、このゲームに使われるアニメの一部が公開されている。
任天堂「DS」用とソニー「PS3」用ソフトで発売
「ニノ国」は、ある事故で母を亡くした少年・オリバーを主人公にしたRPG(ロールプレイングゲーム)。悲しみに暮れるオリバーの前に現れたのは異世界「ニノ国」から来た妖精「シズク」。「ニノ国」を悪の魔道士から救ってほしいと頼まれる。「ニノ国」を救うことで母が生き返る可能性があるとわかったオリバーは、「シズク」と一緒に冒険の旅に出ることを決意する、というもの。
「DS」用ソフトには魔法指南書「マジックマスター」が同梱されていて、その指示通り「DS」画面にタッチペンを使うと魔法が発動し、新アイテムをゲット、魔物を退治するなど冒険を進める。
「PS3」用ソフトの詳細は明らかになっていないが、「DS」とは別に全て一から作られていて、ゲームを進めるための仕様やストーリーも違っているという。
ジブリのアニメーションを見た人達は、掲示板にブログに、
「思ったよりも凄いな」
「スタジオジブリのアニメを動かしているようにしか見えない」
「RPGは全然興味ないけど スタジオジブリと聞いたら急に欲しくなった」
などと感想を書いている。
「スタッフの手が空いていたために引き受けた仕事」
どうしてジブリがゲーム用アニメを担当したのか、今後もアニメ映画以外の分野にも仕事を広げていくのか、ジブリに問い合わせてみた。
「次回の映画制作に取り掛かるまでの時間があり、スタッフの手が空いていたために引き受けた仕事です。うちはあくまでアニメ映画制作の会社ですので、さらにゲーム用アニメを作るとか、アニメ映画以外にも進出するということはありません」
ということだった。
レベルファイブの広報は、ジブリとの関係について、「二ノ国」はもともとジブリと一緒に仕事をするということで始まった作品ではなく、
「制作していく中で、たまたまジブリさんとお話する機会があり、そのとき二ノ国のお話をして、ご協力いただけることになったという経緯がございます」
と説明した。つまり「たまたまタイミングが合った」ということのようだ。