有償のはずカンボジアの橋が無償に 政治空白利用した「駆け込みODA」?

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外務省「選挙に関係なく決めている」

   同国などで活動している国際NGO「メコン・ウォッチ」は2009年12月11日、その可能性をサイト上で指摘。「民主党政権自らが仕分けの結果を骨抜きにする『駆け込みODA』であり、事業仕分けに対する国民の評価を裏切る行為と言わざるをえません」と批判した。

   無償協力は、通常は数億円ほどで、外務省でも、返済できるような収益性が低く、医療・保健、教育、農業といった生活分野などとしている。これに対し、同NGOでは、橋建設は、円借款でも十分な収益性があるとし、「仕分けの結果で縛られる来年度予算にならないうちの駆け込み措置」と指摘した。

   今回の政府決定についての取材に対しては、「もともと何年も前から外務省が無償でやろうとしていたことを事業仕分けが変更できなかったということ」とし、「決定は残念」だとコメントしている。

   外務省の国別開発協力第一課では、橋建設を無償協力としたことについて、こう述べる。

「事業仕分けは、法的な拘束力があるものではないですし、個別の案件は個別に考えています。仕分けで『円借款』と言われたとは認識していません。(河野太郎氏の)ブログには事実誤認があります」

   そして、橋に収益性があることを否定する。「近隣諸国を結ぶために架けるものですし、単独で採算性はありません。しかも、各国とのアクセスがよくなり、効果が高いと考えています」

   建設費が倍に膨らんだことは、カンボジアでの物価高騰による機材などの購入費上昇が主な理由としている。

   政治空白を利用したとの指摘には、こう反論する。

「選挙がいつかには関係なく決めています。相手国の都合のつく日を設定したということです。無償協力は、日本企業を対象にしたタイドなものですが、決定は企業の事情とは関係ありません。相手国からかなり昔に要請があり、その国の事情で決めたということです」
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