批判受ける前に体制刷新
新生銀行は「委員会設置会社」(2010年6月23日付で監査役会設置会社に移行)で、役員報酬は「報酬委員会」が決定している。役員の業績と収益動向、マーケット水準を基本方針に則って決められ、執行役にはさらにフリンジ・ベネフィット(付加給付)を供与することがある、としている。
その報酬委員会のメンバーは、委員長のジョン S.ワズワースJr・モルガンスタンレーアドバイザー・ディレクター、Jクリストファー フラワーズ・JCフラワーズ会長と、三菱商事相談役の槙原稔氏の3人で、いずれも新生銀行の社外取締役に就いていた。
しかも、このうち槙原氏とJクリストファー フラワーズ氏は、取締役の選任・解任にかかわる議案内容を決定できる「指名委員会」のメンバーも兼ねていた。
Jクリストファー フラワーズ氏が会長を務めるJCフラワーズは、米投資ファンドで新生銀行の筆頭株主。どうやら、取締役の選任や報酬を決める際に、筆頭株主の「声」が直接反映しやすい状況になっていたようだ。
6月23日付で、八城社長ほか、4人の外国人役員が退任。報酬委員の槙原氏、ジョン S.ワズワースJr氏も社外取締役から外れるなど、金融当局やメディアの批判を受ける前に経営体制の刷新を進めたようにみえる。
ただ、Jクリストファー フラワーズ氏が社外取締役に、サンジーブ グプタ専務執行役員(個人部門長)の2人が再任され、残っている。