参議院選挙が2010年6月24日、公示された。インターネットの選挙利用解禁は、実現まであと一歩と迫りながら先送りとなる中、ミニブログ、ツイッター(Twitter)では、選挙戦突入後も多くの国会議員たちが「つぶやき」を続けている。
「●●(注:本文は実名等)神社なう」「出陣式です」――ある野党衆院議員は、6月24日朝、ツイッターでこうつぶやいた。
「●時から●駅で街頭演説会」
政治家によるツイッターの更新は、選挙運動に直接触れていなくても、選挙との関係の有無があいまいな部分もある、として総務省選挙課は「即違法とはならないが、水際防止の観点からも更新はしないように」と、問い合わせがあった陣営などには回答している。選挙運動に関する更新が禁じられるのは、候補者だけでなく一般人も対象で、当然候補者以外の国会議員も規制対象だ。
しかし、公示日の24日、実際には多くの国会議員たちが朝からツイッターでの「つぶやき」を始めた。
24日早朝には、ある新党の衆院議員は、ツイッターなどでの「発言」について、「過剰な自主規制に繋がりそうな感じがある」「規制にかかるのは、選挙運動にあたる文言の記載があった場合」と、総務省の「水際」の発想とは異なる主張を展開した。
その後も時間が経つにつれ、様々なツイッター議員・候補らが「つぶやき」続けた。
中にはサッカー・ワールドカップの話題や天気など、参院選に全く関係ない内容を書き込んだ議員もいたが、
「菅総理の第一声は●の●前です」「●時から●駅で街頭演説会」「今日から、参議院選挙です。●時から出陣式」(注:●は本文では実名や数字等)
などと、はっきり参院選関連と分かる書き込みも相当数ある。「暑い中、●人以上の皆さんが駆けつけてくれました。ありがとうございます」と「お礼」の文言も書き込んだ衆院議員もいる。
音声データ更新の候補も
もっとも、候補者本人はおとなしいようだ。前日の23日から24日未明の段階で、「明日が公示日だ」「しばらく休ませて頂きます」などと、選挙期間中のお休み宣言をしている候補が与野党を問わず多い。もっとも、与党候補の中には、音声ツイッターを利用した更新を続けている現職議員がいる。音声を聞いてみると、「今から●で街頭演説をします。応援下さい」などと話している。音声データなら、法が禁じる「(法定外の)文書図画の頒布」には当たらない、という解釈だ。
候補者以外の国会議員による、ツイッターでの演説会告知や「お礼」は問題ないのだろうか。公示日の24日は、総務省選挙課職員は全員各所を飛び回っていて連絡がつかなかった。応援組の総務省職員に質問すると、個別のケースには回答できないので一般論、とした上で、ツイッターでの演説会告知などは「かなり微妙な点を含んでいる、とは言えるでしょう」と歯切れは悪いながら、「問題あり」をにじませる回答だった。
選挙戦2日目以降のツイッター戦線はどう展開するのだろうか。ネットの選挙活動利用を可能にする法改正を待たずに、現実は少しずつネット選挙へ向かって舵を切っているようにも見える。