投資マネー流入で史上最高値 金価格さらに上昇気配

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日本でも金ETFの人気は急上昇

   日本でも金ETFの人気は急上昇だ。東京証券取引所に上場しているSPDRゴールド・シェアの5月の売買代金は、115億527万円で、前年同月と比べて4.6倍にも膨らんだ。また、ETFセキュリティーズの金ETFも09年8月に東証に上場していて、5月の売買代金は22億3520万円だった。

   7月には三菱UFJ信託銀行が金ETFを東証に上場する。07年の改正信託法と東証の上場規定の改定で実現。三菱UFJ信託が金現物を直接管理すると同時に、証券化して東証に上場する、信託初の試みだ。

   金の高値は、長期化する欧州の財政危機の影響によって、安定資産として金の価値が高まったせいだ。金地金やゴールドジュエリーなどを取り扱う田中貴金属工業は、「金を取り巻くファンダメンタルズは強い」と話す。それでも、「1オンス1200ドルを超すのは特殊なケース」(貴金属部)といい、行き過ぎとみている。

   中国人民銀行が6月19日に人民元相場の弾力性を高めることを表明し、それまで売られていた株式などのリスク商品が上昇。反対に金相場は下がりはじめた。

   ただ、それも「一時的」との見方が支配的。田中貴金属は「金は工業用や宝飾用にも使われているし、現物の価値がゼロになることはない。トレンドとしては底堅い」という。

   前出のETFセキュリティーズは、「投資マネーの行き場が安全志向なのは確か。欧州の機関投資家は日本国債さえも敬遠しているというから、かなりの警戒感だ。これでは金に資金が集まるのは当然のこと」と話している。

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