富士通・東芝が携帯事業統合  海外展開はそれでも難しい

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シャープ追い抜いてトップになるのが目標

   東芝は08、09年度と携帯電話事業が赤字。海外企業に生産を委託しコスト削減を進めたが、国内シェアが4%を切るなかで開発費負担が重く、展望を見い出せなかった。富士通と交渉する前にはパナソニックやNECとの統合も模索した模様だ。

   電電公社時代から歴史的にNTTグループに深く食い込む富士通は、NTTドコモが携帯電話端末の主力供給先。KDDIが主力で欧州にも展開し、スマートフォンも手がける東芝との事業統合は、製造・開発のコスト削減以外にもメリットはあると見たのだろう。

   統合新会社には富士通のドコモ向け部隊は移さず、一応の「忠誠」は誓うが、東芝との新会社を通じてソフトバンクを含めた通信会社への供給の道が広がり、じわりとドコモからの「自立」に踏み込むことも可能だ。

   まずは国内基盤を固めてシャープを追い抜いてトップになることを目標とし、ゆくゆくは成長が見込める世界展開を模索する考えとみられる。ただ、年間生産が億台単位のメーカーによる寡占化が続く世界市場で、「シェア1%にも満たない富士通・東芝連合が海外展開の拡大の糸口を見つけることは容易ではない」とアナリストは口をそろえて指摘している。

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