政治漂流2010参院選 
若者はまた政治に失望 投票率「間違いなく下がる」
学生団体 ivote代表・原田謙介さんに聞く

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   「若者の政治離れ」が叫ばれるなか、「20代の投票率80%」を目指して活動しているのが学生団体「ivote」だ。2009年衆院選から1年弱で、若者の政治に対する意識はどう変わったのか。同団体代表の原田謙介さんに聞いた。

――若者の側から、投票率向上を訴える団体は必ずしも多くありません。どのようにして始まったのですか。

原田 高校生のころは、政治のことはほとんど知りませんでした。浪人をしていた05年に「郵政解散」があったのですが、「衆院で否決されたから衆院を解散した」という誤解すらしていました。そこで、政治は「知らなければいけない制度」だと思いました。

20代の8割は投票に行って欲しい

「投票率は間違いなく下がる」と話すivote代表の原田謙介さん
「投票率は間違いなく下がる」と話すivote代表の原田謙介さん

   上京後「インターン」という制度があるのを知り、実際にインターンをする中で、政治の構造を知りました。「何党が…」というレベルではなく、政治全体に問題があるという問題意識を持ちました。

――具体的には、政治にどんな問題があると感じましたか。

原田 特に、予算が若者を無視して高齢者向けのものに偏った形になっていると言う点です。さらに、そのような問題を若者が知らないし、投票にも行かないという点も嫌だと感じました。結構悔しかったです。当時は、米国の大統領選挙が盛り上がっていて、若い層も比較的関心を持っていただけ、余計に悔しく思いました。

――では、どのような活動を始めたのですか。

原田 08年4月に、このivoteを立ち上げた時には、「政治の中身を勉強することはハードルが高いので、『まずは一度、行ってもらおう』」と思いました。一度投票すれば、自分が投票した人のその後の動向にも関心を払うでしょう。それを持続したまま、次の選挙を迎えるというサイクルを繰り返したい。投票を、社会に興味を持つ「入り口」に出来ればと考えました。

――そもそも、何故若者は投票に行かないのだと思いますか?

原田 大きく3つあると考えています。(1)どういう基準で誰に投票すれば良いか分からない(2)政治は「汚い、嫌なもの」だというイメージがある(3)政治や選挙に無関心の3つです。さらに、特に大学生は「モラトリアム」の期間にあり、まだ社会への接点が少ないのも背景にあると思います。

――その3つの要因を解決して投票率を上げるために、どのような活動をしているのですか?

原田 ひとつの柱が、自分が「次の選挙行くぞ!」という登録をして、投票日になるとリマインドメールが送られてくる「メールプロジェクト」です。過去の自分との「約束」なので、行く確率が高くなると思いました。たまに「『投票に行かないといけないね』という話題が出ることがあっても、いざ、投票の日になると忘れていることも少なくありません。忘れないように、という願いが込められています。

――数値目標はありますか?

原田 ivoteとしては、「20代の8割は投票に行って欲しい」と思っています。そのうち、メールプロジェクトで、投票率を1%上げたいと考えていますので、そこから逆算して10万人の登録を目指しています。
   ただし、09年衆院選の登録者は1181人にとどまりました。まずは登録を増やす必要がありますので、今回はインセンティブを付けようと考えています。「邪道」だと言われるかも知れませんが、まずは足を運んでもらうことが大事です。藤田観光さんとコラボできることになって、登録するとワシントンホテルやレストランの割引チケットが当たるようになっています。
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