菅首相の主張「唐突な印象を与えた」
菅内閣の支持率や参院選での「投票先」の数字は、今後どのような推移を見せるのだろうか。このまま下落を続けるのか、また持ち直すのか。
政治アナリストの伊藤惇夫さんは「まだまだ風向きは安定しないので速断できない」とみる。菅内閣の誕生直後に支持率が「V字回復」したが、「単に看板が変わっただけ」だ。今後のちょっとした発言でも状況は変わる可能性がある。
「確かに終盤の鳩山内閣時と比べれば参院選へプラスのムードが出ているのは間違いないが、過半数確保云々を議論するにはまだ早すぎる」
朝日新聞が支持率低下の理由として指摘した消費税議論が、今後どう影響するかもはっきりしない。朝日新聞の世論調査でも、消費税引き上げに関する質問では、賛成46%(前回49%)、反対45%(同44%)と賛否が拮抗する傾向には変化がない。
伊藤さんは、「支持率9ポイント減」について、消費税議論そのものへの批判ではなく、菅首相の主張が「唐突な印象を与えたからだ」と分析する。民主党は昨09年夏の衆院選以降、「次の衆院選まで」「4年間は」消費税は上げない、と主張していた。この唐突感を放っておけば今後、支持率などにマイナスに作用するだろうし、説得力ある説明ができれば、必ずしも消費税論議がマイナスに働く訳ではない、とみている。