日本マクドナルドは2010年6月20日、10年下期向けの新商品を発表した。今回のテーマは「チキン」で、原田泳幸社長は「原動力は客単価よりも客数の向上。チキンでさらに新規顧客を獲得したい」と意気込みを語り、合わせて全国のマクドナルド店舗にて、1000万人を対象にチキンのおいしさを実感してもらうための無料試食キャンペーンについても発表した。
同社は、08年の「クォーターパウンダー」、09年の「マックカフェ」10年の「ビッグアメリカ」シリーズなど、新メニューの投入を通じて新たな顧客層を開拓する戦略を続けており、今回の新製品もその一環といえる。
60以上の候補から絞り込む
10年夏から新たににお目見えするのは、ももの1枚肉を挟んだ「チキンバーガー ソルト&レモン」、むね肉とタマネギ、ピクルスなどを組み合わせた「チキンバーガー オーロラ」、若鶏のもも肉を使ったサイドメニュー「ジューシーチキンセレクト」の3種類。09年5月から開発を始め、開発過程で60種類以上の商品候補から絞り込んだ。
この日東京・表参道で開かれた記者発表会で、原田社長は
「メニューの充実が客数を伸ばしてきた。チキン市場3950億円のうち、マクドナルドは640億円。すでに16.3%のトップシェアを持っているが、まだマクドナルド=チキンという認知がされていない層がある」
と、チキン市場拡大への意欲を見せた。4月23日から福岡県内の約100店舗で行われているテスト販売の結果では、08年にヒットした「クォーターパウンダー」のテスト販売時よりも好調な売れ行きを見せているといい、 原田社長は
「(福岡以外での売り上げも)クォーターパウンダーを超えるだろうと予想している。クォーターパウンダーの場合、発売当初にポーンと売り上げがあがり、徐々に落ち着いていったが、落ち込みの幅が(クォーターパウンダーと比べて)ゆるやかになるのではないか」
と自信を見せつつ、「他のメニューよりは粗利は高い」と、利益率向上に向けた期待ものぞかせた。