内閣府は、2010年6月18日に発表した6月の月例経済報告で、「景気は、着実に持ち直してきており、自律的回復への基盤が整いつつあるが、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」との基調判断を示し、3か月ぶりに上方修正した。
景気回復とはいかなかったが、1年11か月ぶりに、また2008年秋のリーマン・ショック以降で初めて、「回復」の文言が盛り込まれた。
個別項目では、企業の設備投資について、5月の「下げ止まりつつある」から「下げ止まっている」に3か月ぶりに上方修正した。一方で住宅建設を「持ち直してきたが、このところ横ばいとなっている」に1年ぶりに引き下げ、また公共投資を「総じて低調に推移している」に2か月ぶりに下方修正した。
先行きについては、「海外経済の改善や緊急経済対策をはじめとする政策の効果などを背景に、企業収益の改善が続くなかで、景気が自律的回復へ向かうことが期待される」と前向きに評価した。ただ、「当面、雇用情勢に厳しさが残る」とクギを刺した。