スポンサー離れの兆し
返上を待つまでもなく、文科省でも、相撲協会の解散命令の言葉が口に出るまでになっている。実際はまだそんな状況ではないようだが、日刊スポーツによると、文科省の芦立訓競技スポーツ課長は2010年6月14日、「相撲協会の株式会社化?それもある」とさえ述べた。
法人組織に詳しいある証券会社幹部は、公益法人としての相撲協会について、こう指摘する。
「一般の人でも株主になれる株式会社なら、こんな不祥事多発はありえないですよ。すぐに株価が下がって、会社が潰れてしまいますからね。株主からは、『ちゃんとやってくれ』とかなりのプレッシャーがかかるはずです。まともな会社なら、情報開示に努めるでしょうね。今回の問題なら、番付の開示だけでは疑念が解消しないので、力士らの実名も出さないと難しいはずです」
もちろん、相撲は、日本伝統の国技だけに、単純に一般の会社と比較するのは強引過ぎるかもしれない。しかし、かなりずさんな経営であることは確かなようだ。
相撲協会は、ここ数年は、人気低迷による収益事業の赤字で、法人税を収めていない。さらに、今回の問題で、多額の懸賞金を出している永谷園が撤退も検討するなど、スポンサー離れの兆しも現れている。このまま、不健全経営が続けば、今度は国民が黙っていないかもしれない。