「ドブスを守る会」を名乗る大学生の一団が動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿した動画が、ネット上で大ひんしゅくを買っている。動画では、「ドブスが絶滅の危機に瀕している」とした上で、駅前を歩いている女性に「写真を撮らせて欲しい」と接近し、「ドブスは残さなければいけない」などとして、嫌がる女性に執拗につきまとうという内容だ。ネット上では「いじめだ」などと批判が強まっており、撮影にかかわった男子学生2名が所属する首都大学東京も、処分を含めて検討を始めた。
問題になっているのは、「ドブス写真集完成までの道程」と題した6分弱の動画。動画の冒頭では、
「情報化の進展により、化粧や洋服や髪型の流行を追いかけることが容易になり、果ては整形技術のおかげで、女性が最低限の見栄えを繕うことが可能になった」として、「ドブスが絶滅の危機に瀕している」と主張。「ドブスを守るための活動の第一歩として、わが国から消えゆくドブスの姿を収めた写真集を作り始めた」と、身勝手な動機を披露している。
一般女性を執拗に追い回す
動画は、2010年6月12日に立川駅前で撮影されたとされ、男子学生が一般女性に対して
「もしよろしければ、写真を2枚ほど撮らせていただきたいんですけど、ダメですか?」
と声をかけ、女性が
「今、ちょっと時間がないので…。友達と待ち合わせているので」
と難色を示すと、
「ドブスってのが、どんどん減っている状況なんですよ。これからの時代、ドブスは残っていかなくちゃいけない。それを残すために、ドブスの写真を撮って、写真集を作ろうとしている」
などと言いながらつきまとうと言う内容だ。この動画では、この女性以外にも1人別の女性が被害にあっており、この女性は
「写真撮って何かやるんですか?お断りします」
と言っているにもかかわらず、男子学生は女性に対して
「ぴったりなブサイクなんで。絶対後悔しないと思うんで」
という言葉を投げつけている。
首都大学東京「処分含めて検討」
現在、この動画自体は削除されているが、女性の顔にモザイク加工したバージョンは広く出回っており、ネット上では
「悪ふざけでは済まされないレベル 」
「ひどい。いじめと変わらない」
との声が続出した。
動画の最後には、企画・出演した男子学生の実名が紹介されていたため。ネット利用者が、男子学生が首都大学東京に所属していることを特定。大学側に非難のメールなどを送った。
首都大学東京の広報担当によると、大学側は事態を6月17日朝に把握。男子学生2人は大学側の事情聴取に対して、動画をアップロードした事実を認めているという。大学側は、
「動画をアップロードした動機などについては、現在ヒヤリングしているところ。処分を含めて検討している」
と話している。