米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ギリシャ国債を従来の「A3」から、投資不適格に相当する「Ba1」に4段階格下げした、と2010年6月15日(日本時間)に発表した。
ギリシャ国債の格付けについてムーディーズは5月に、「ギリシャ政府の緊縮財政プランの達成度を見極めたうえで決めたい」と話しており、その際に「おおよそ4週間で発表できる」としていた。欧州連合などがギリシャへの大規模な支援策をまとめたのを受け、資金繰り問題で債務不履行に陥る短期的なリスクは払拭できたが、ギリシャの財政健全化に向けた取り組みにはなお不透明感が強いとみている。格付け見通しは「安定的」とし、一段の引き下げの可能性は当面ないとした。
ギリシャ国債については、すでに米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が4月末に「投機的」に格下げしていた。