限りなく真球、無回転シュート蹴りやすい
公式球を開発・製造したアディダス社のリリースによると、「ジャブラニ」には、06年のドイツ大会の公式球「チームガイスト」にも使われた「サーマルボンディング」という技術が使われている。ボール表面のパネルを熱圧着させる技術で、表明が滑らかになり、どの部分を蹴っても均質な反発力を得ることができるという。
また、「チームガイスト」は14枚のパネルからできていたが、「ジャブラニ」はわずか8枚。真球に限りなく近くなった。これにより、大幅にキック精度が上がったとしている。
一般的に「ぶれ球」は、無回転で飛んだボールの周囲に気流の渦ができることで軌道がぶれるとされている。スポーツ用品業界関係者からは、「コントロール性能の上がった『ジャブラニ』では、回転をかけたいと思えばかけられる一方で、無回転シュートも狙いやすくなっている。そのため『GK泣かせ』と言われているのでは」という指摘も出ている。
「ジャブラニ」はドイツ国内リーグの一部試合のほか、3月からJリーグでも使われている。中村俊輔選手は3月に、「こするより当てる感じ。その方が速くてボールの軌道がブレない」とコツを掴んだかのような発言をしているが、「ジャブラニ」ははたして日本代表に有利に働くのだろうか。