地元に住む人しか知らないような情報が売り物
数多くあったタウン情報誌だが、老舗で頑張っているのが角川マーケティングの「東京ウォーカー」や「関西ウォーカー」だ。ただ、「ウォーカー」シリーズも一時の拡大路線から現在は、東京や関西のほか、北海道や横浜、東海、福岡の6地域(隔週火曜日発売)になった。北海道や福岡は月刊誌に、また千葉ウォーカーは休刊に追い込まれている。
「東京ウォーカー」の発行部数もピーク時には30万部を超えていたが、最近は約8万部だ。こうした中で、同社が力を入れているのが「ウォーカー・ムック」。市や区、あるいは観光地など、より「局地的」なタウン情報や、おいしいラーメン店などのテーマを切り口にまとめている。地元に住む人しか知らないような人気店や催しを綿密に調べた独自ネタが「売りもの」のようだ。
出版科学研究所の佐々木氏は「最近は編集者の言葉で語った、辛口批評の雑誌が読まれているようです。情報過多なのでセグメントしてあげたり、実用的だったり。ネットにも載っていない情報を掘り起こすことを地道に続けるしかないのでしょう」といっている。