「女性は国債持つ男性に引かれる」 財務省「婚活男子」向け広告に批判続々

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   婚活男子をターゲットに、個人向け国債の新商品をPRする広告を財務省が打ち、話題になっている。その中身とはーー。

   国債を持てる男子は、女性にモテる!!・・・か!?――フリーペーパー『R25』(リクルート)に掲載された個人向け国債の新商品、3年満期固定金利型「固定3」の広告だ。ターゲットは婚活男子で、「女性の理想を知らないと、実のある婚活は望めない」と読者を購買に引き込もうとしている。

若者層を取り込みたい

   24~27歳の女性5人に行った理想の結婚相手に関する「緊急調査」をもとに、記事風に仕立てられている。

「やっぱりそれなりにお金が必要。未来の旦那様はお金に真面目な人がいい!」
「安定感があることが絶対条件!株なんかは、やっぱり専門の投資家がやるものだと思うし、生活のことを考えるとちょっと怖いんです」
「恋愛は楽しい方がいいけど、結婚するなら絶対に堅実な人がいい!」

   「経済力」や「確実さ」を求める意見を並べ、「この『固定3年』をきっかけに、女子からイチ目置かれる『安定感のある男』を目指してみては?」と結ばれている。

   財務省は2010年7月より発行する「固定3」を中心とした個人向け国債の広告を新聞、テレビ、雑誌などで5月21日から展開している。国債のロゴマークをモチーフにしたキャラクター「コクサイ先生」も作った。

   財務省理財局国債企画課によると、婚活男子向け広告は『R25』だけで展開。広告代理店が「今まで獲得できなかった若者層を取り込もう」と提案し、20~30歳代男性がターゲットの同誌に決まった。中身は編集部で考え、財務省国債企画課がOKを出した。

金融専門家は「破れかぶれという感じだ」

   この財務省らしからぬ広告がネット上で話題になっている。

   巨大掲示板「2ちゃんねる」に複数のスレッドが立ち、

「馬鹿丸出し広告。こういうのを仕分けしろ」「あと3年から5年で破綻危機を迎えるのに何この詐欺広告」「そこまで追い詰められてるのか・・・財務省」「こんな借金大国の国債買うような男はモテるとは思えないわ。金のほうがいいだろ」

などという批判的な意見がたくさん書き込まれている。中には、「これって広告としてはかなり面白いと思うぞ。見た人間が全員『ねーよww』って思うようなものが狙いなんだし」と好意的な意見もあった。

   個人のブログやツイッターにも、「誇大広告すぎるだろ JARO(日本広告審査機構)に訴えてもいいレベル」「これが…国の経済対策…だと!?」「財政はここまで切羽詰ってるってことか」と批判が相次いでいる。

   フリーペーパーにしか載せていない広告が、たくさんの人に知られるきっかけになったのは、ブルームバーグの6月9日付け記事だ。広告の内容を紹介した上で、フランス最大級のユニバーサルバンク、ソシエテ・ジェネラルのシニア金利ストラテジスト、クリスティアン・カリーヨ氏のコメントを引用し、「破れかぶれという感じだ」とか「個人投資家を引き付ける戦略になるとは思えない」などと報じた。海外向けに英語でも報じられている。

   財務省国債企画課によると、ブルームバーグの記事が掲載された後、国内メディア数社から取材依頼があった。日本経済新聞ウェブ版は6月11日、「男性にとって最高の買い物? 日本政府、国債の新販売戦略」と題する記事で、「『女性は国債を保有する男性に引かれる』という露骨な性的魅力に訴えている」と報じている。

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