口蹄疫ナゾの感染源 車説から野鳥、ネズミ、シカ…

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ネットを畜舎に張って鳥などとの接触を防ぐ

   さらに、日経新聞(11日朝刊)によると、「欧州ではウイルスが風に運ばれて感染が広がった例もあるとされる」。もっとも、日本の気象条件では、気温や日照などの点で同様のことは起こりにくい、との専門家コメントも紹介している。

   人・車説に基づく消毒だけでなく、野鳥などの説も踏まえた対策をしているのだろうか。九州農政局安全管理課によると、「あらゆる事態を想定してネット防護も含めた施策を行っている」という。

   宮崎県畜産課によると、ネットを畜舎に張って鳥などとの接触を防ぐ対策は、今回の口蹄疫問題発生以前から指導している。鳥インフルエンザ予防などの観点から、野鳥やネズミなどによるウイルス持ち込みへの警戒を促してきたという。

   別の行政関係者は、ワクチン接種などの対策が奏功し始めたというムードが、消毒対策の緩みにつながっていたのではないか、との見方を示した。

   そもそも国内にどこから入って来たのか、も分かっていない。2000年に宮崎県で起きた口蹄疫騒ぎのときは、最も可能性が高いとされたのは中国産の飼料わらだった。今回の宮崎で最初に確認されたウイルスは、農水省が委託した調査で、香港採取のウイルスと遺伝情報が99.2%一致し、韓国のものとは98.6%、などの結果が出ており、香港から来たか、共通の感染経路を持つ可能性が指摘されている。観光などの人経由説以外にも、黄砂に付着して飛んできたという学者もいる。

   農水省の疫学調査チームは、6月7日に第2回検討会を開き、えびの市の初感染例について、川南町の農場との間を行き来した家畜運搬車が感染ルートになった可能性を指摘した。今後も検討を進めるという。

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