朝日新聞社は45歳以上の早期退職者を募る「転身支援制度」の実施を決めたが、朝日新聞関係者によると、その内容は、いま早期退職すれば、現在の年収の半分を10年間払い続ける、というものだそうだ。人により差があるので一概には言えないが45歳の年収は1500万円ぐらいだそうで、なんと毎年750万円もらえることになる。ネットでは「厚遇すぎる」話だ、と騒ぎになっている。
朝日新聞社OBに話を聞くと、十数年前にも早期退職者に対する優遇制度が提示されたことがあり、その時も当時としては厚遇だったが、40歳代の応募者は少なかったという。「朝日はまだ安泰で今後も給料が下がることはないだろう」と信じていた社員が多かったためだが、現在は、朝日新聞の業績が落ち込み、社員の待遇は悪化する一途だ。そのため、「応募者が大勢出るのではないか」と見ている。
株式会社になって初めて最終赤字を計上
朝日新聞は2010年3月期決算で、1919年に株式会社となってから初めて最終赤字に転落した。落ち続けている広告収入が前期よりさらに15%ダウン。営業損益は前期比60億5500万円悪化。71億2600万円の営業損失を計上し2年連続の営業赤字に。当期純損益は前期比58億9500万円悪化し31億2500万円の純損失を計上した。
朝日新聞は経営を立て直すため、ビジネスモデルの再構築を進めようとしている。新聞事業の強化と共に、デジタルコンテンツや教材の販売、医療サイトの展開、働く女性の支援など数々の新規事業を計画。社員に対しては給与制度や企業年金の改革を進める。そして現在5000人ほどの社員を、12年度末まで4500人体制にする計画だ。この人員削減の切り札になるのが「転身支援制度」のようである。