新聞社説も「財政再建」では比較的好意的
新内閣発足に合わせた新聞各紙の社説も、「財政再建が歴史的使命」(朝日)、「財政再建で信頼回復を」(毎日)、「景気と財政再建の両立を図れ」(読売)など、いっせいに財政再建の必要を打ち上げたが、菅首相の姿勢を「(財政再建という)使命を理解しているように思われる」(朝日)など、比較的好意的に受け止めている。
ただし、大きな風呂敷として広げるのはいいが、各論を政策に落とし込むのは簡単ではない。具体的には民主党としての参院選マニフェスト策定と並行して、6月中に「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」をとりまとめなければならない。ギリシャ危機を機に、各国財政への市場の視線は厳しく、債務残高がGDPの2倍近いという世界最悪水準の日本は、「今月下旬のG20(20カ国・地域首脳会議)までに財政再建の大きな道筋を示すことが不可避」(国際金融筋)。そこでは、「消費税引き上げに触れないなら、世界には相手にされない」(財務省幹部)。
8日の会見で菅首相は財政再建について、「党派を超えた議論をする必要が今この時点であるのではないか」と語った。マニフェストに消費税引き上げを書き込む方針といわれる自民党が、菅首相の「誘い」に乗るのかも含め、今後の展開から目が話せない。