「新聞離れ」ウソだった? 「読む91%」に違和感の声も

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「日常生活に欠かせない基幹メディア」

   また、NHKが5年に1度行う「国民生活時間調査」(2005年)では、新聞を読む「行為者」(15分以上)は、平日で44%、日曜で43%だった。以前の調査との比較(平日)の分析では、「この10年間で男30~50代での落ち込みが大きいことがわかる」「10年前にすでに行為者率が低かった男20代が、30代になっても読者が増えなかった」「10年前の男30・40代(05年の男40・50代)で、この10年で新聞を読まなくなった人が大幅に増えたことが読み取れる」などと指摘している。

   質問項目が違うので単純比較はできないが、同NHK調査など「新聞離れ」を示す調査の印象が残っているため、今回の協会調査の「91.3%が新聞を読んでいる」に違和感を持った人もいたようだ。

   読売、朝日、日経新聞の共同サイト「新sあらたにす」で「新聞案内人」も務める評論家の歌田明弘さんは「細かい内実を問題にしないと『91%が読んでいる』は意味がない」と指摘する。調査結果では、朝刊(平日)の1日あたりの「接触時間」は平均24.8分で、20分未満は47.4%と半数近くなる。

「10分未満も22.3%もおり、テレビの番組欄や天気予報だけ見た、という人も中には含まれているかもしれない。だとしたら『新聞を読んだ』という程のことだろうか」

   また、元毎日新聞外信部長でジャーナリストの河内孝さんは、新聞協会が公表している部数で09年は08年より約100万部減ったことや、「1世帯あたり部数」が08年に「1」を割り込んだ数字の方が重要だ、と話す。「新聞への信頼感の高さに力点を置くなら分かるが、『91%が新聞読んでる』の報道が並んだのは違和感がある」とも付け加えた。

   新聞協会では、「伝統的な調査手法の結果、新聞は安定して高い接触を誇り、日常生活に欠かせない基幹メディアであることが改めて確認された」「過去4回(01年~)との時系列比較でも、安定的に推移していた」としている。

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