菅首相と「言ってみれば同志」
とはいえ、菅伸子夫人は、夫に負けないぐらい政治には関心があるらしい。
菅直人首相が男を上げた薬害エイズ問題では、ブレーンとして伸子夫人の力添えが大きかったとされる。被害者だった川田龍平参院議員の母で元衆院議員の悦子さんの講演を聞き、「こんな問題を放っておいていいの!」と家庭内でけしかけたのがきっかけになったというのだ。
それも、草の根の活動を積極的にやっていたからこその成果のようだ。菅首相夫婦がよく訪れる東京・武蔵野市内の喫茶店「上床」経営者の上床敬子さん(71)は、こう言う。
「直人さんが全国を飛び回っているとき、伸子さんは地元の人たちと密に交流しています。政治的な人脈や財産がない中で、伸子さんの支えがあってここまで来られたわけです。伸子さんは、前掛け、エプロン姿で接客する商店や町工場のおかみさんみたいなものです。共通の趣味が政治で、家庭内の会話もほとんどがそうらしいですよ」
伸子夫人の飲み友だちという地元の男性は、その家庭内での役割についてこう明かす。
「内助の功のように、3歩下がって夫を立てる日本的な妻とは違います。友だち夫婦であり、言ってみれば同志ですよ。ただ、お酒を飲んでいて、面白いことを言うのは伸子さんの方ですね。時代の空気を読むのが鋭いですからね。姉御肌で、地元のおばちゃんたちにも人気があります」
週刊朝日のインタビューによると、伸子夫人は、首相の夫に期待することとして、「公務員制度の改革などの内政」を挙げていた。菅新首相は、どうするのだろうか。