夏の風物詩「花火大会」続々復活 手賀沼、袋井、須坂、横浜

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   不景気の影響で企業からの協賛金が集まらず、2009年は全国で花火大会中止が相次いだが、10年は一転して復活基調にある。夏の風物詩の中止はさびしいという市民が多く、募金を呼びかけたところ、短期間で数十万円規模集まったところもある。

   「手賀沼花火大会」(千葉県)は10年8月7日に開催される。08年は水中花火など1万3500発を打ち上げ、41万人が来場したが、09年に協賛金募集のめどが立たずに中止された。すると市民から「かなり寂しかった」「なくなって残念だ」という声が実行委員会事務局にたくさん寄せられ、市民に募金をお願いすることにした。

街頭募金、1時間で約15万円

なくなると寂しい夏の風物詩(写真はイメージ)
なくなると寂しい夏の風物詩(写真はイメージ)

   手賀沼花火大会実行委員会事務局は、5月2日から柏市と我孫子市内に募金箱を設置し、街頭活動、法人への依頼、イベントでの募金活動を行ったところ、6月6日までに89万3686円が集まった。なかでも街頭募金の効果が大きく、5月16日にJR柏駅東口、西口、南口で2時間約20万円、5月17日に我孫子駅で1時間約15万円も集まった。また、我孫子市役所の入口に、壁などに花火の写真を投影できる玩具「家(うち)あげ花火」(セガトイズ)を設置して募金箱を置いた。募金は7月いっぱい受け付けている。

   静岡県袋井市の「ふくろい遠州の花火」も09年は景気が冷え込み、協賛金が集まらずに中止されたが、10年8月7日に復活する。

   ふくろい遠州の花火実行委員会に、「ぜひ再開したほしい」といった応援メールが多方面から相次ぎ、実行委員会のメンバーは「依然、経済状況は厳しいが、何とかして復活させたい」との思いが強くなった。検討を重ねた結果、企業に頼らず市民主体で実施することを決め、市民共催席(有料席)の割合を増やした。打ち上げ数は08年までの3万発から「2万発以上」に減る。ただ、全国の花火名人による競技会や音楽に合わせて打ち上げる花火、富士山をかたどったナイアガラ、8号玉100連発など、見どころは減らしていないので、「見劣りはしないはず」(実行委員会)という。

「みんなの思い出が消えてしまう」

   明治時代から続く長野県須坂市の花火大会「蔵の町須坂花火の夕べ」は、製造業を中心とする市内企業から寄付が見込めないとして09年の開催をあきらめた。すると「あるのが当たり前で、なくなると寂しい」「みんなの思い出が消えてしまう。復活させてほしい」などの声が市民から寄せられた。名称を「須坂みんなの花火大会」に改め、7月23日に再開する。

   須坂商工会議所などでつくる実行委員会は、市役所など十数か所に募金箱を設置し、5月31 日時点で43万410円が集まった。さらに振り込み用紙をつけたチラシを全戸に配ったところ、6月6日までに約50万円が振り込まれた。

   実行委員会の担当者は、

「市民からもらったお金で打ち上げる花火なので、1つ1つ大切に上げたい。11年以降も続けられるようにがんばりたいです」

と話している。

   例年並の2000~2500発を目指している。

   1956年から親しまれていた「横浜港開港記念みなと祭 国際花火大会」も、09年に中止された。開港150周年イベントの開催と重なり、安全を確保できないとの理由からだった。

   10年は新しい花火大会「横浜スパークリングトワイライト」に生まれ変わり、7月18日に開催する。「短時間でも楽しめる都市型花火」をコンセプトにし、約3000発の打ち上げ花火、151メートルにわたる海上ナイアガラ花火、手持ち花火による参加型イベントも行う。一方、例年のような大規模な花火大会は、「安全性の確保が困難である」との理由から今後も行わない。

   7月24日に約1万2000発を打ち上げる調布市花火大会では、08年以降中止していた尺玉花火の復活を検討している。不景気の影響で協賛金の集まりが低調で、有料席の販売も芳しくない。他にも打ち上げ場所を確保しにくいなどの問題があった。ところが「調布の花火大会と言えば尺玉」との声が市民から寄せられ、実行委員会では「上げられるなら上げてみたい」としている。

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