民主党「支持」V字回復 参院選「単独過半数も」?

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   民主党が「支持」をV字回復させている。鳩山由紀夫・小沢一郎両氏のコンビが辞職を表明し、人事など菅直人新首相の「脱小沢」路線に期待が寄せられた形だ。2010年7月の参院選圧勝の読みまで出るほどだが、「回復」の勢いはいつまで続くのだろうか。

   2010年6月6日に投開票された横浜市議泉区補選(被選挙数1)は、民主党公認の麓理恵氏が、みんなの党公認と自民党公認の候補2人を破って初当選した。麓陣営からは、厳しい選挙だったが鳩山首相らの辞職で流れが変わったと指摘する声が少なからず聞かれた。鳩山氏の退陣表明は6月2日だった。

世論調査で民主が自民を「再逆転」

   菅新首相を国会が指名した6月4日から各社が行った世論調査では、軒並み民主が「支持」を伸ばしている。共同通信の5月末の調査では、政党支持率でも参院選比例での投票先でも自民が民主を「逆転」していたが、今回調査では民主が「再逆転」した。「投票先」をみると、民主が32.6%と前回比12.7ポイント増と2ケタの伸びを見せた。自民は23.4%で2.5ポイント増に留まった。

   6月6日付の毎日新聞朝刊によると、「投票先」は民主34%、自民17%とダブルスコアに開いた。鳩山退陣表明前の5月末の調査では、民主22%、自民21%とほぼ横並びだったにも関わらず、だ。「菅首相が『脱小沢』路線を鮮明にしたことが民主党に対する期待感を回復させた」と分析している。6日付の朝日新聞でも、「投票先」は、民主33%、自民17%とダブルスコアに近くなった。5月末の調査では、民主と自民は20%で並んでいた。

   こうした傾向は「投票先」だけではない。NNN(日本テレビ系ネットワーク)の世論調査では、政党支持率で民主党35.7%、自民党22.1%と、5月調査と比べ民主が自民を「再び逆転」した。また、単純比較はできないが、菅新首相の支持率は62.4%で、約20%にまで落ち込んでいた鳩山内閣の支持率から「一気にV字回復した結果となった」。

   そんな中、週刊朝日の最新号(6月18日号)は、「参院民主単独過半数か」との見出しで、緊急議席予測の記事を載せた。民主の改選議席数は54だが、一時は党内に「40議席を割り込み大敗するのでは」との憶測が広がっていた。同誌記事で今回、政治ジャーナリストの野上忠興さんは、民主の予測獲得議席数を「54」とした。前回(5月21日号)は民主47議席、としていたが、鳩山・小沢両氏の辞職で「追い風とはいかないまでも、『微風』を呼び込むことに成功した」と分析している。さらに、「予測した54をさらに上回り、60議席以上を獲得して単独過半数を取る可能性もある」とみているという。

民主陣営は「まだ支持率は上がる」と期待

   市議補選を終えたばかりの民主党神奈川県連関係者にきくと、鳩山退陣の話が出るまでは「みんなの党候補と五分五分の状勢」と見ていた。結果的に約3500票の差をつけて勝ったが、「票差の半分は鳩山・小沢辞職の風のおかげ」と分析した。

   また、今回の参院選改選組で関東地区のある選挙区候補予定者の選対幹部は、各種世論調査の「支持」の伸びと横浜市議補選の勝利を「勢いがついた」と大歓迎している。やはり菅新首相効果のお陰だと見ている。「普天間移設問題を巡る鳩山氏のウソと小沢氏のカネには厳しい声が寄せられ、これを抱えたままでは当選できない、と密かに思っていた」。しかし空気が一変したと感じている。

   6月8日に菅新内閣が誕生するが、「支持率はまだまだ上がる。急激ではないがじわじわと」と見ており、7月25日投開票説が有力視される参院選挙まで「この勢いはもつ」と鼻息が荒い。

   一方で、野上さんとともに週刊朝日で議席予測をした、政治評論家の森田実さんは民主34議席(前回35)と厳しい見方だ。菅新首相の非小沢色の傾向が小沢氏側の反発を呼び「分裂選挙に陥る可能性も否定できません」と同誌で指摘している。脱小沢色が吉と出るのか凶と出るのか、見方は分かれているようだ。

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