週明けにも組閣が予定されている新内閣の顔ぶれが、少しずつ明らかになってきた。菅直人新首相は記者会見で「人事は白紙」と繰り返したものの、その内実は、「反小沢派」「非小沢派」で固められる可能性が高くなってきた。
菅氏は2010年6月4日に開いた会見では、
「すべては全くの白紙。多少の時間をかけて、色々な皆さんの意見を聞いて決めたい」
とした上で、「小沢グループ」の処遇についても、
「どのグループをどうこうすることは全く考えていない」
などと「白紙」を強調していた。
財務相に野田佳彦財務副大臣?
だが、人事は着々と進んでいる様子だ。菅氏は6月3日夜に仙谷由人国家戦略相・枝野幸男行政刷新相と都内のホテルで会談。菅氏が民主党の新代表に選出される前の段階で、事実上の「組閣本部」が立ち上がっていたとされる。
6月5日時点で新聞各紙がそろって報じている顔ぶれは、官房長官に仙谷氏、菅氏の後任にあたる財務相に野田佳彦財務副大臣、というもの。党幹事長には枝野氏の起用も有力視されている。いずれのメンバーも、反小沢グループの急先鋒とされる、いわゆる「七奉行」の一角。さらに、「七奉行」の一員だとされる岡田克也外相や前原誠司国交相が留任した場合、新内閣が極めて「反小沢カラー」の強いものになるのは確実だ。