20歳代女性の6割が「猫背」だと自覚していることがスポーツ用品会社の調査でわかった。しかも40、50歳代を大きく上回っている。若い女性が「猫化」しているのはなぜか。
スポーツ用品を販売するエバニュー(東京都江東区)は全国の20~59歳の男女500人を対象に、姿勢に関する意識調査を行った。「自分自身の姿勢に対して、どのような印象を持っているか」と尋ねると、もっとも多かったのは「猫背」で57.8%。性別、年齢別では20歳代女性が64.6%となり、30歳代女性(60.0%)、40歳代女性(47.7%)、50歳代女性(47.7%)を上回った。
「外反母趾」や足の「むくみ」が出る
また、「日常的に使用する機会の多いシューズの種類」を聞いたところ、「ヒール・パンプス」と答えた女性は118人で、女性全体の51.3%を占めた。年齢別では20歳代女性が70.8%ともっとも高い。猫背が多いことと関係があるのだろうか。
日本ウォーキング学会会長で、東京学芸大学 健康・スポーツ科学講座健康科学分野・池田克紀教授は、
「現代人の体のトラブルやきれいな姿勢が維持できないことの原因の1つは、靴やアスファルトが引き起こす体のズレです。ハイヒールやビジネスシューズは靴底が硬く、かかとが高いため、不自然に体がゆがめられ、体は悲鳴をあげているはずです」
とコメントしている。
猫背はさまざまなトラブルを引き起こすようだ。前出の調査で、猫背でない人よりも「外反母趾」や足の「むくみ」の割合が高く、足のトラブルがない人は少なかった。
肩こりや腰痛に悩む女性のほとんどが猫背
姿勢コンサルタントの武田まり子さんは、「魅せる姿勢づくり」のレッスンを行う「スタイルアーバン六本木」を主宰している。テレビ番組の企画で20歳代女性の姿勢を調べたところ、「猫背が多く、こんなにいるとは思わなかった」と驚いたという。また、肩こりや腰痛に悩んでいる女性のほとんどが猫背だった。
武田さんは、
「見た目はキレイでも、ヒールを履きこなせず歩き方がぎこちない女性は意外と多いです。猫背を治すには、正しい姿勢を知ることと、腹筋・背筋・首の後ろに適度な筋力を付けることが欠かせません。壁を背に立ち、後頭部からかかとまですべて壁につくように立つと、筋力を鍛えることができます」
とアドバイスしている。
こんな調査もある。マーケティング会社のトレンダーズが26歳~45歳の男女534人に、「姿勢や歩き方がいい女性はモテるか」と尋ねると、男性の80%、女性の93%が「モテる思う」と回答している。姿勢のいい男性についても、84%の男女がモテると回答した。09年7月24日~25日に行われた。