世界的に再生可能エネルギーの普及が進む中、国内外の太陽光発電(太陽電池)をめぐり、日本メーカーと海外メーカーの競争が激しさを増している。
日本はパナソニックと三洋電機、シャープ、京セラなどリチウムイオン電池や太陽電池を製造する大手電機メーカーが関西に集積し、この分野で高い国際競争力をもっている。
太陽光などの導入に最も積極的なのは欧州
太陽光発電協会によると、2009年度の太陽電池の国内出荷量(発電能力ベース)は前年度の2.6倍の62万3127キロワットとなり、4年ぶりに過去最高を更新した。しかし、中国など海外からの安価な輸入製品が初めて1割を超えるなど、「性能と価格の競争が今後さらに激化する」(業界関係者)とみられている。
09年度の国内出荷量の62万キロワットとは、中規模な原子力発電所1基分に相当する規模だ。これまでは05年度の30万5068キロワットが過去最高だったが、09年度は政府や地方自治体の補助制度が復活したり、電力会社が余剰電力の買い取り価格を引き上げたりしたことから、住宅向けの普及が進んだ。国内出荷は全体の87.2%が住宅向けだった。
一方、海外に目を転じると、再生可能エネルギーの導入に最も積極的なのは欧州だ。ドイツなどでは個人住宅だけでなく、学校や駅など公共施設に太陽電池を設置したり、電力会社が大規模ソーラーパネルを導入したりするなど日本よりも普及が進んでいる。この分野で日本メーカーの進出は目覚ましい。