鳩山由紀夫首相(63)が退陣を表明し、「ポスト鳩山」に注目が集まっている。首相後継選びは菅直人・副総理兼財務相(63)が軸になるとみられ、2010年6月2日夕、新聞やテレビは、菅氏が代表選への立候補の意向を固めた、と報じた。
鳩山首相は2010年6月2日朝、急遽辞意を表明した。早速「後継選びは菅氏が軸に」(毎日)、「後継レース、副総理が軸」(共同通信)、「後継、菅副総理が最有力」(産経)などのニュースが各社のウェブ版に流れ出した。
副総理が昇格するのは自然
同党の渡部恒三・元衆院副議長は5月29日、福島県内の会合で、ポスト鳩山について、菅氏・前原誠司国土交通相(48)・岡田克也外相(56)の3人の名前を挙げ「だいたいこの3人のうちの1人であることは間違いない」と話していた。
菅副総理が「軸」「最有力」なのはなぜか。鍵を握るのは、150人規模の党内最大勢力を率いる小沢一郎・民主党幹事長との「距離感」だ。菅氏は小沢氏と比較的近いとされ、岡田・前原両氏らは小沢氏と距離を置いている。直接的な小沢派と反・非小沢派の全面対決の構図になってはしこりが残り、参院選にプラスにならない、との懸念が出る中、菅氏なら双方が歩み寄りやすいのでは、という訳だ。加えて「参院選を直後に控える非常事態なので、副総理が昇格するのは自然だ」と、「据わりの良さ」を指摘する声も挙がる。
もっとも、「菅首相」では、今回幹事長を辞職する小沢氏の影響力を強く残し過ぎるのでは、との懸念も出ている。この点を菅サイドも気にしているようで、今後「小沢離れ」をアピールしていくのではといった推測も出ている。