入力の機会減って、やり方忘れた?
通常のパソコンであれば、ローマ字入力で「KYO」と入力すれば、「きょ」と出力される。大分県年金事務所では、「うちのシステムでは、小さな『よ』や『つ』を入力する場合、1字ずつ文字をつくって登録する必要があります。変換できなかった『きょう子』も事前に登録履歴があれば、すぐに出せたのでしょうが、おそらくそれがなかったと思われます」と話す。
また、ここ数年、システムへの入力作業は年金事務を集中処理する大分県事務センターが行っており、事務所での入力作業は緊急時のときくらいと、入力機会が減っていることもある。
「入力方法を教えても1、2か月作業がないこともありますし、急ぎということもあってあわててしまったのだと思います」(大分年金事務所)と、女性職員をかばう。
とはいえ、年金事務所のシステムは全国どこでも同じものを使用しているので、今回のようなことは他県でも起こり得る。日本年金機構は、「たしかに小さな『よ』などは最初に単語登録が必要です。大分県の件はそれがされてなかったのだと思います」という。
いまどき、なんとも手間のかかるシステムだが、「費用がかかることですし、いまのシステムを踏襲することになっています」と、新たなシステムへの変更は当分ないようだ。