百日ぜきの成人患者の割合がこの10年間で急増し、半数以上を占めていることが国立感染症研究所の調査でわかった。
同研究所が実施した全国約3000か所の小児科定点医療機関からの患者報告数に基づいた分析によると、百日ぜきの2010年第1~19週の報告数は1395例であり、20歳以上の患者が56.0%を占めた(09年は40.5%)。00年の2.2%から増え続け、これまでのように「小児で流行する疾患」と呼ぶにはふさわしくない状況となっている。
百日ぜきは、生後6か月以下の乳児がかかると死に至る危険性もある疾患。成人が重い症状を示すことはまれで、診断が見逃されやすいが、周囲への感染を拡大してしまう恐れがある。