郵政法案たった6時間で強行採決 野党激怒「前代未聞の暴挙」

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   米軍普天間基地の移設問題の影に隠れて目立たないものの、国会では、異例のペースで法案の強行採決が行われている。特にそれが際だつのが郵政改革法案で、審議入りしたその日に、わずか6時間の審議で強行採決。「前代未聞の暴挙」(共産党)をはじめ、野党側が激しく批判しているのはもちろん、与党側の一角からも疑問の声があがっている。

   今国会の衆院委員会では、2010年5月12日には国家公務員法改正案、5月14日には地球温暖化対策基本法案、5月25日には放送法改正案などが、相次いで強行採決されている。

公聴会や参考人質疑も行わず、野党要求資料も提出せず

   その中でも、その強引さが際だっているのが、郵政民営化を見直す郵政改革法案だ。5月28日に衆院総務委員会で審議入りしたものの、6時間足らずの審議で採決に踏み切った。05年に同法案が成立した際には、衆院だけで110時間も審議に時間を費やしたのとは対照的だ。それだけに、採決は野党議員が「強行採決10回目」と赤文字で書かれたビラをかかげ、「おかしいじゃないか!」と怒号が飛び交う中で行われた。

   もちろん、自民党政権下でも、強行採決は多く行われた。例えば、06年11月には教育基本法の改正案が衆院特別委員会で強行採決され、「大荒れ」となったが、採決までには100時間を超える審議を行っている。

   それでも民主党はこう批判していた。

「広く深く時間をかけた国民的な議論が必要であり、質疑時間が100時間に達したから採決などという性格の法案ではありません。にもかかわらず、政府・与党は、衆参両院において、与野党の合意もなしに質疑を打ち切り、強行採決を行いました」(民主・松野頼久議員)

   それだけに、今回の「6時間」という審議時間の短さが際だつ結果になっている。今回の採決をめぐっては、亀井静香金融・郵政担当相は、

「郵政改革も、一歩大きく前進しました」

と満足げだったが、野党側は、足並みを揃えたように猛反発している。

   自民党の小泉進次郎議員は、採決後に

「民主党は終わったなと思いましたね。もう、期待はずれ、時代遅れ、ウソつき。何故、こういう自爆行動をやるのかね」

と吐き捨てたほか、谷垣禎一総裁は、記者会見で

「今の民主党政権は『選挙で多数を取ったら、あとは数の力で押していく』という状態。『国会の中で衆知を集めて、よりよい合意をつくっていく、より良いものに仕上げていく』、こういう民主主義のプロセスという考え方が決定的に欠落している」

と批判、ツイッターでも、

「鳩山政権は国会を法案成立工場と考えているとしか思えない」

と書いた。

   5月29日には、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、

「民主党の近藤昭一委員長も重要だと認めていた公聴会や参考人質疑も行わず、野党が要求した資料も提出しないままの採決で、まさに前代未聞の暴挙」

と批判。

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