瞬間風速として強くてもすぐに弱まる?
社民党の茨城県連などへは「よく筋を通した」と激励の電話が相次いでいるという。社民党本部でも「数を集計した訳ではないが、党や党首に『頑張れ』という激励の電話は増えている」。
政権離脱を受け、参院選の選挙区で社民党の独自候補を新たに立てようとする動きも出てきた。これまでは民主党候補予定者に協力する態勢作りが進んでいた。
そのひとつ、民主党の小沢一郎幹事長の「お膝元」である岩手県の社民党県連合に話を聞いた。伊沢昌弘幹事長によると、独自候補擁立は「降ってわいたような話」ではない。連立政権を離脱するような政局になれば独自候補を擁立する、という方針を10年3月の段階で確認済みで、福島党首罷免後の5月30日に常任幹事会で「擁立」を再確認した。参院選公示まで残された時間はわずかだが、「擁立がうまく行くよう鋭意努力中」だ。
同県連へは、数は多くないが、福島党首の今回の行動を評価する声が電話で寄せられたという。辺野古移設は認めないという姿勢を福島党首が貫いたのは、これまでの社民党の主張から鑑みて「当然の行動だ」と、伊沢幹事長も評価している。
社民党関係者たちは、今回の騒動で「追い風」を感じているのだろうか。ある関係者は慎重な見方を示した。「辺野古への移設という決着はおかしい」と考えている人が多いことは分かったが、それが参院選での社民党への投票につながるかどうかは別問題と見ている。「風と言えば風だが、瞬間風速として強くてもすぐに弱まってしまう」。今回の話を政局ものに終わらせず、粘り強く米軍基地問題などへの党の取り組みの重要性を訴える必要がある、と分析していた。