米軍普天間基地の移設問題を巡り、社民党の福島瑞穂党首が大臣職を罷免された直後の一部の世論調査で、社民党は約3倍も支持率を伸ばした。従来案通りの辺野古への移転はだめだ、との姿勢を貫いたことが評価されたのだろうか。もっとも、支持率は横ばいの調査結果もあり、社民党に「追い風」が吹いているかどうかは微妙な状勢だ。
社民党は2010年5月31日、幹部会合を開き、野党が鳩山由紀夫首相の内閣不信任決議案や首相問責決議案を提出した場合、賛成する方針を確認した。閣外協力はおろか、完全に鳩山首相に「NO」を突きつけた形だ。
共同通信や日経済新聞調査で支持率大幅増
「ホントに辞めなければいけないのは、総理の方じゃないんですか」。5月31日、情報番組「朝ズバッ!」(TBS系)で司会のみのもんたさんが、生出演した福島党首に語りかけた。辺野古への移転を巡り、福島党首は主張を変えておらず、態度を変えたのは鳩山首相の方ではないか、という訳だ。福島党首は「あれに署名したら、沖縄を裏切ることになり、社民党は終わり」と答えた。
インターネット記事のコメント欄などでも、同様の指摘が見受けられる。福島党首の罷免などを伝えた、J-CASTニュースの「鳩山首相『2枚舌』作戦失敗 『辺野古』巡り『発表日』大混乱」(10年5月28日)には、「ぶれない瑞穂さん素晴らしい」「罷免されるべきはルーピー鳩山だ」とのコメントも寄せられた。
福島党首が罷免されたのは5月28日金曜日。直後の土日にマスコミ各社が世論調査を実施した。総じて内閣支持率が低下し20%割れする調査も出る中、共同通信の調査では、社民党の支持率は、4.5%と前回調査の1.6%から3倍近く伸びた。日本経済新聞とテレビ東京の共同調査では、社民党の支持率は3%と前回の1%から3倍となった。
一方、読売、朝日、毎日新聞調査では、支持率は横ばいだった。読売と朝日は1%、毎日は2%だった。それでも夏の参院選比例代表での投票先をみると、朝日は横ばいの1%だったものの、読売は2%(前回1%)、毎日3%(同2%)と伸ばしている。社民党への「風」は吹き始めているのだろうか。
「社民党の将来は明るい」。5月30日、連立政権離脱を正式に決めた社民党の全国幹事長会議の後、新里米吉・沖縄県連委員長はこう報道陣に語った。