「今後厳しくなっていくことが予想されます」
ネットでは、2010年5月24日から話題になっており、
「『京都大学』ですらこんななのか。」
「本当に哀しくなるな」
といったコメントが寄せられている。成果も出している名門国立大が、研究資金の心配をしていると聞き、ショックを受ける人が多いようだ。
寄付の呼びかけを行った京大理学部企画室の担当者は「現在はまだやっていけていますが、今後厳しくなっていくことが予想されます」と語る。理学には「真理の探究」という部分があり、企業と直接結びつくことはあまりない。数学や理論系の基礎研究が工学部や医学部で応用されて技術開発に繋がることはあるが、企業に理解されるのは難しく、寄付もそれほど入ってこない。政府が行っている事業仕分けについては、「今のところ直接の影響はありませんが、今後は分かりません」という。
「基盤的経費だけでなく、国から出る競争的資金も10年度は1億円程度削減される見込みです。理学フェロー(若手研究者)の採用も10年度は行わないことが決定しています。これまで寄付の申し出が2件ありました。ただ、何もないところに『はい、寄付してください』ということはできませんので、個別に案内し、研究内容を一般の方にもわかるよう説明した上でお決め頂くことにしています。時代とともに大学も変わりますが、自由に研究できる環境を守っていきたいです」
と話している。