長谷川洋三の産業ウォッチ
近藤政務官の成長戦略:中国企業の日本進出歓迎する

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「中国企業の日本進出は歓迎すべきことだ。日本企業だけで勝負する時代ではない」

   近藤洋介経済産業大臣政務官は2010年5月25日、中国の繊維大手、山東如意科技集団(山東省)が東証1部上場の大手アパレルメーカー、レナウンに出資して筆頭株主になることについてこう発言した。東京都内で開いた有識者の勉強会で「日本の新しい成長戦略について」講演した後、出席者の質問に答えた。

   中国企業の対日進出は最近活溌になっており、2009年に家電量販大手の蘇寧電器が東証2部上場で同業のラオックスに出資、聯想グループ子会社がジャスダック上場でシステム開発会社のSJIの筆頭株主になったほか、電池・自動車大手のBYDが金型のオギハラ(群馬県太田市)の館林工場を買収した。

   山東如意はレナウンの第三者割当増資により発行済み株式の41%を約40億円で取得し、筆頭株主になる。山東如意の邸亜夫董事長はレナウンを傘下に置くねらいについて「レナウンは有名なブランドで品質も優れている」と指摘、経営不振のレナウンは、山東如意の繊維や生地を活用し、衣料品の生産コストを下げて、レナウンの衣料ブランドを中国市場で販売するなどの効果を期待している。

「原子炉プラントでも外資と組んで勝負することあってよい」

   2009年度の中国企業の海外企業買収は、民営企業が成長戦略の一環として積極的で、買収総額は前年度比37%増の2092億ドル(約19兆円)に達した。

   近藤政務官は「国家防衛上問題のある分野を除き、基本的には外資にはヒトもモノもカネもこれまでより倍増させたい」と強調、「原子炉プラントなどの海外ビジネスでも外資と組んで勝負することがあってよい」とした。近藤政務官は、鳩山首相を議長とする成長戦略策定会議の事務局チームの事務局長補佐を務めており、6月に成長戦略検討会議を開いて新成長戦略の全体像を閣議決定する。

   自動車産業などに依存する「一本足構造」から、環境、健康、文化産業などの多様な分野での「八ケ岳構造」への転換や、「高機能・単品売り型」から、「システム売り、課題解決型、付加価値型」の産業への転換、欧米、内需に加え、「アジア内需」の取り組みなどを、目指すべき姿として描いている。

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