風雲急 郵政改革法案 与党に強行採決論も浮上

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ゆうちょ銀拡大に反対する民間金融界動き始める

   そんな国会の動きをにらんで、ゆうちょ銀拡大に反対する民間金融界が動き始めた。全国銀行協会など金融機関8団体が5月20日、「郵政改革を考える民間金融機関の会」を結成し、同法案の抜本的修正を求める共同声明を発表した。

   金融界が大同団結して、ゆうちょ銀行の規模拡大を封じるのが狙いで、全銀協のほか、信託銀行、地方銀行、第二地銀、信用金庫、信用組合の団体トップと、JAバンクとJFマリンバンクを代表して農林中金理事長が参加。ゆうちょ銀が政府関与を残したまま、預け入れ限度額などを引き上げることに「競争の公平性を逸し、円滑な地域金融を阻害するなど、経済の健全な発展を妨げる強い懸念がある」などと批判した。

   ここに来て金融界が動きを活発化させたのは「勝負あったと思ったが、そうでもなくなってきた」(金融筋)との読みがある。鳩山内閣の支持率急落で法案が「すんなり成立しない可能性が出てきた」(同)というわけだ。さらに、海外からの「援軍」もある。世界貿易機関(WTO)を舞台に、米国や欧州が郵政法案への懸念を日本に伝えてきた。米欧は、ゆうちょ銀などへの一連の優遇措置が、外国企業への不利な扱い禁じたWTOサービス貿易一般協定の「内国民待遇義務」に抵触する恐れがあると主張している。

   郵政法案については、「拙速審議は禍根を残す」(25日付日経新聞社説)など批判的なマスコミ論調も多い。「衆院300議席の力を持つ与党が本気になれば成立阻止は困難」(金融筋)とはいえ、世論の動向、内閣支持率の動向などもにらみ、会期末に向け、神経戦が続く。

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