厚労省技官が口蹄疫殺処分を批判 「第2の新型インフル」論に賛否

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農水省は全面的に反論、殺処分続ける方針示す

   こうした発言がツイッター上で伝わると、賛否両論の声が相次いだ。批判としては、獣医学の専門でないのに何を言うか、感染肉が市場に流通したらさらに感染が広がって畜産業が壊滅状態になる、家畜は経済動物なので商品価値がなくなって莫大な経済的損失が出る、といったものだ。

   木村盛世さんが反論すると、さらに批判が寄せられ、ツイッター上でのやり取りは、まとめサイト「Togetter」でも紹介されている。

   殺処分の撤回について、木村さんは、「法に抵触するのであれば法律書き直せばよい」とし、免疫をつけるまで待つ特例を認めるよう農水大臣に伝えたいとも書いた。これに対し、農水省側は、どう考えているのか。

   同省の動物衛生課では、木村さんの主張に全面的に反論する。

「そのような認識であれば、大々的な殺処分はしません。感染力が大変強く、家畜が自分の重みで立ち上がれず、エサや水も採れなくなって死んでしまうのです。産業動物としては、畜産業界では恐ろしい病気です。病気は治ることがあっても、放っておけば感染がどんどん広がります。放っておいた方がむしろ、和牛ブランドの経済的損失が大きい」

   同省では、今後も殺処分、ワクチン投与を続ける方針だという。

   一方、木村さんは、口蹄疫については、アメリカ疾病予防管理センター勤務時代の同僚獣医に話を聞いたとして、こう話す。

「一番の問題は、マンパワーのことです。殺処分などは獣医がやりますが、そんなに人手があるわけではありません。埋める場所を確保するのも、大変な負担になります。それで疲れ果てて倒れるのでは、仕方がありません。殺処分などに反対というよりも、いろんなオプションがあるのになぜ議論しないのかということです。『種牛49頭を生かしてほしい』という東国原知事の訴えについても、農水省が決めたことだからというのはおかしい。新型インフルと同じで、縦割行政でやるのではなくて、国家的な危機管理の問題として多角的に取り組むことが必要だと思います」
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