九州の動物園が口蹄疫対策強化 消毒強化、「餌やり」「ふれあい」自粛

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「せっかく来たのに何もできない」と苦情も

   福岡県の動物園や牧場でも警戒が高まっている。県は口蹄疫防疫対策本部を5月21日に設置し、24日に県内4カ所の家畜保健衛生所で対策会議を行った。県畜産家の担当者によると、消毒の徹底、部外者の立ち入り禁止、偶蹄類とのふれあいの中止などを決めた。

   福岡市動植物園は5月20日から餌やりを中止している。また入園口で靴裏の消毒を強化し、入園者はマットの上をゆっくりと確実に歩くようにお願いしている。

   福岡市のもーもーらんど油山牧場では、牛98頭、羊30頭、ヤギ11頭を飼育し、年間30万人以上が来場する。ゴールデンウィーク前に餌やりを止め、5月4日から羊やヤギとのふれあい、家畜舎内への入場を中止した。5月17日から搾乳体験や乗馬体験も自粛し、5月24日から家畜舎近くの遊歩道を閉鎖した。

   お客から「せっかく来たのに何もできない」と苦情もちらほら出ているが、広報担当者は、

「大部分の牛は農家から預かりもので、感染させるわけにいきません」

といい、今は動物を守るのが先決との考えだ。

   北九州市の動物園、到津の森公園はヤギ28頭、キリン2頭を飼育している。年間38万~39万人が来園する。

   5月24日にヤギとキリンの餌やり、ヤギとのふれあい、動物の寝室見学を休止した。お客から「せっかく来たのにできなくて残念だ」と不満が上がっている一方、「これだけ広がっているので仕方ない」と納得する人もいる。しかし、ヤギの餌やりはもっとも人気が高い。かき入れ時の夏休みも迫っている。事業管理担当者は「1日も早く事態が収まって欲しい」と願っている。

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