就職情報会社「エン・ジャパン」が販売する新卒採用システムから個人情報が流出した。学生の名前や志望動機といった企業へのエントリー内容がグーグル経由で外部から閲覧できる状況になっていた。現在は閲覧できないようになっているが、2010年5月24日、同社は謝罪文を掲載した。
エン・ジャパンは新卒就職サイト「[en]学生の就職情報」の運営ほか、転職なども扱う就職情報会社として知られ、人事業務サービスの請負なども行っている。
「作文内容までさらされてるな」
流出したのは、同社が販売している新卒採用管理システム「EmPro-Aid First」を使用する企業にエントリーした11年新卒学生の個人情報。このシステムはインテリア大手サンゲツなど有名企業にも採用されている。エントリー・フォームの内容がグーグル検索のキャッシュからアクセスでき、学生の名前や学部、志望動機などが外部から閲覧できる状態になっていた。
2ちゃんねるでは、5月23日ごろから話題になり、すぐさま学生の個人情報や自己PR文章と見られるものが張りだされた。
「作文内容までさらされてるな」
「ネット経由で就活なんてもう怖くて出来ねーな…
自分の全てをネットに晒されるなんて…」
などの非難の声が挙がっている。
被害は3~4名、原因究明中
こうした反応を受け、同社は5月24日午前、「不正アクセスによる個人情報漏洩に関するお知らせ」という謝罪文を掲載した。
今回の流出について、「お客様をはじめとする皆様には多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げます」としている。
エン・ジャパン広報グループによると、外部から閲覧できる状態になっていることに5月23日に気付き、すぐアクセスできないようにした。現在、被害が判明しているのは3~4人で、名前や学部、志望動機のほか、Eメールアドレスまでも流出。担当者は、
「いつから流出していたのかも分かっていません。このシステムは2010年卒にも使われていましたが、問題になったことはありません。原因究明を第一に調査し、分かり次第発表します」
と話している。また、同社運営の「[en]学生の就職情報」「[en]社会人の転職情報」などに登録しているユーザーの情報については、「EmProとは無関係のため、外部に流出することはありません」としている。
似たような事件は以前にも起きており、08年10月に、楽天のメルマガ登録者の個人情報流出が発覚。今回と同様、グーグル検索から他人の登録フォームにアクセス出来る状態になっていた。